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ひとりカレンダー

                   トーマ・ヒロコ

 

五日には音楽雑誌を買う

ついでに洋服も見て回ろう

一六日には定期が切れる

そろそろ家賃を払いに行こう

二八日にはファッション雑誌を買う

もうすぐ通帳の数字が増える

 

あと何度繰り返せば君に会える?

君の目を見られる私になれる?

 

壁のカレンダーを睨む

散らかった八畳で、タバコの煙が立ち上る休憩室で

 

週末のアルコールに満ちた終電を降り

ふらふら歩く帰り道

君の声と訛りが聞きたくなった

 

取り出した携帯の画面をしばらく睨む

ボタンを押すことはなく

代わりに携帯を折りたたむパキッという音

 

見上げた空にはそれなりの数の星が光っている

 

 

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